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教えて曳家先生! 第十五話~絶対損しない床下浸水のコツ ~

「教えて曳家先生!~絶対に損しない○○のコツ~」では、曳家の専門業者だからこそ知っている絶対に損をさせないお得な情報、大切な情報について触れていきます。
曳家を検討されている方はぜひ読んで、絶対に損しない曳家と工事の後にも続く大切な生活に必要な情報を一緒に学んでいきましょう。

 

こんにちは曳家先生です。前回は、「絶対に損しない地盤沈下のコツ」についてお話ししました。今回は、台風・大雨のシーズンに気になる方も多い話題、「床下浸水・床上浸水」についてお話をしていきます。

 

「まさか、うちが床下浸水なんて…」

豪雨や台風が猛威を振るうたびに、ニュースで流れる光景。他人事だと思っていたのに、ある日突然、自分の家が被害に遭うかもしれません。

床下浸水は、家全体を揺るがす大問題。放置すれば、大切な我が家が蝕まれてしまいます。しかし、正しい知識と迅速な対応があれば、被害を最小限に抑え、安心して暮らせる家を取り戻せるのです。

この記事では、床下浸水の原因から具体的な対策、そして復旧までの道のりを、専門家である曳家職人の視点から徹底解説します。もう不安に怯える必要はありません。この記事を読めば、いざという時に落ち着いて行動できるはずです。

なぜ床下浸水・床上浸水は起こる?

まずは、敵を知る必要があります。床下浸水を引き起こす主な原因は以下の通りです。

  1. 集中豪雨や台風: 短時間に大量の雨が降ると、排水が追いつかず、水が地面にしみ込んで床下に流れ込むことがあります。特に、都市部では地面がコンクリートで覆われているため、水がしみ込みやすく、床下浸水のリスクが高まります。
  2. 河川の氾濫: 近くを流れる河川が氾濫すると、大量の水が住宅地に流れ込み、床下浸水を引き起こすことがあります。特に、低地にある住宅や、河川に近い住宅は注意が必要です。
  3. 排水設備の不具合: 排水溝や排水管が詰まったり、破損したりしていると、水がスムーズに流れず、床下浸水につながることがあります。定期的な点検とメンテナンスが重要です。
  4. 地盤沈下: 地盤が沈下すると、住宅の基礎が傾き、床下に水が流れ込みやすくなります。特に、埋め立て地や、軟弱な地盤の上に建てられた住宅は注意が必要です。

近年の浸水被害だと。。。

なお近年の大雨被害だとこんな例があります。

平成27年9月関東・東北豪雨

豪雨による関東地方での大規模な浸水被害
茨城県常総市では、鬼怒川の堤防決壊により約40km²が浸水
結城市: 床上浸水38棟、床下浸水155棟
筑西市: 大規模半壊68棟、半壊3棟

平成16年の台風被害

平成16年の台風第23号による関東地方を含む広い範囲での浸水被害
全国で住家の浸水54,347棟
関東地域でも多くの浸水被害が報告されました。

日本の気象条件として必ず挙げられる台風はそのたびに多大なる浸水被害を生んでいるのです。

もしかして・・・大雨増えてない?

・・・実は日降水量100mm以上の月別日数は年々増えているんです。

気象庁のデータによると

「日降水量100mm以上および200mm以上の日数は106年間で有意な増加傾向があります。最近30年間(1977~2006年)と20世紀初頭の30年間(1901~1930年)を比較すると100mm以上日数は約1.2倍、200mm以上日数は約1.4倍の出現頻度となっています。
こうした長期的な大雨日数の増加に、地球温暖化が関係している可能性があります。」とのことなんです。

(気象庁リスクマップより)

 

浸水被害の分類を知る。

浸水被害は一般的に以下のように分類されます:

  • 床下浸水: 浸水深が50cm以下
  • 床上浸水: 浸水深が50cm以上1.5m未満
  • 1階天井以上の浸水: 浸水深が1.5m以上

浸水被害の程度によって、復旧費用に大きな差が出てきますね。
ましてや、「気づきにくい浸水被害」もあるんです。

床下浸水のサインを見逃すな!

早期発見・早期対応が被害を最小限に抑える鍵となります。以下のサインを見逃さないようにしましょう。

  • 床のきしみやへこみ: 床下浸水によって床材が湿気を帯びると、きしみやへこみが発生することがあります。特に、畳やフローリングは湿気に弱いため、注意が必要です。
  • カビ臭い匂い: 床下浸水によってカビが発生すると、独特の臭いが漂うことがあります。特に、梅雨時や夏場はカビが発生しやすいため、注意が必要です。
  • 害虫の発生: 床下浸水によって湿気が多くなると、シロアリやゴキブリなどの害虫が発生しやすくなります。特に、シロアリは家の構造を食い荒らすため、早急な対策が必要です。
  • 基礎のひび割れ: 床下浸水によって地盤が緩むと、住宅の基礎にひび割れが生じることがあります。基礎のひび割れは、建物の倒壊につながる可能性もあるため、放置してはいけません。

 

浸水してしまったら…落ち着いて、まずやるべきこと

もしあなたの住んでいる地域が台風・大雨に遭ってしまっても、パニックにならず、落ち着いて行動することが大切です。

  1. 安全確保: 感電の危険性があるため、まずはブレーカーを落としましょう。また、浸水している場所には近づかないようにし、二次災害を防ぎましょう。
  2. 水位の確認: 床下浸水の程度を確認しましょう。床板を外して、懐中電灯などで水位を確認します。
  3. 排水作業: 水位が高い場合は、ポンプなどを使って排水作業を行いましょう。水位が低い場合は、自然に水が引くのを待つこともできますが、時間がかかる場合は専門業者に依頼しましょう。
  4. 清掃・乾燥: 床下の泥やゴミを取り除き、乾燥させましょう。扇風機や除湿機を使って、しっかりと乾燥させることが重要です。
  5. 消毒: カビや細菌の繁殖を防ぐために、消毒作業を行いましょう。消毒剤を散布したり、燻煙剤を使用したりする方法があります。
  6. 専門業者への相談: 自分で対応できない場合は、専門業者に相談しましょう。床下の状態を診断してもらい、適切な復旧方法を提案してもらいます。

後悔しないための復旧作業

復旧作業は、被害状況によって異なります。

  • 軽度の場合: 床下の清掃・乾燥・消毒だけで済む場合もあります。ただし、床材や断熱材が湿気を帯びている場合は、交換が必要になることもあります。
  • 中度の場合: 建物の土台や柱、壁が水浸しになって、ひび割れを起こしたり、上手く乾燥ができず木材に腐食が起きてしまった場合には部材交換の必要がでてきます。。また、基礎にひび割れが生じている場合は、補修工事が必要になります。
  • 重度の場合: 家屋の傾きが大きい場合は、解体して新築にする場合や垂直方向の傾きを直す家起し、水平方向の傾きを直す「沈下修正工事「、建物の高さを上げる「嵩上げ工事」が必要になることもあります。建物を別の場所に移動して基礎を作り直す曳家工事は、家をジャッキアップして移動させる工事で、大規模な工事になりますが、家を建て直すよりも費用を抑えられる場合があります。

専門家(曳家職人)を頼るメリット

床下浸水の復旧作業は、専門知識と技術が必要です。自分で対応しようとすると、かえって被害を拡大させてしまう可能性もあります。専門家(曳家職人)に依頼することで、以下のメリットがあります。

  • 適切な診断と復旧:専門家(曳家職人)は、建物の傾き直しのプロなので、床下の状態を正確に診断し、最適な復旧方法を提案してくれます。
  • 迅速な対応: 専門家(曳家職人)は、床下の作業にも慣れているため、迅速かつ効率的に復旧作業を進めてくれます。
  • 安心・安全: 専門家(曳家職人)は、狭所作業も慣れているため、安全に配慮しながら作業を進めてくれます。
  • 保険申請のサポート: 専門家は、保険申請に必要など書類の作成などをサポートしてくれます。

経験のある職人は現場の経験だけではなく、建物構造、建築基準法、関連法令への知見が優れています。
一人であれこれ悩む前に相談してみることで役立つ情報を手に入れることができます。

あなたの住まいは大丈夫!?こんな建物に住んでいる人は嵩上げを検討しよう

  1. ハザードマップで「洪水浸水想定区域」に住んでいる
    お住まいの地域のハザードマップを確認してみましょう。どれくらいの危険があるかを知っておくことがリスク低減になります。
  2. 建物が敷地に面する道路より低い土地に建っている
    雨の量が多い時に、敷地内に表面水が流れ込むようなら要チェックです。
    大雨を想定して嵩上げ工事を検討しても良いかもしれません。
  3. 建物のすぐ近くに急斜面の山がある。
    お住まいの建物は山を背負っていませんか?戦後日本における山林の多くはスギ・ヒノキが植林されているため、表面流水を抑える役目を持つ下草や苔類が少なく、土砂交じりの雨水が流れてくることもあります。

嵩上げ工事のメリット

防災・安全面のメリット

  1. 豪雨や台風による浸水リスクが低くなる。
    嵩上げ工事を行うとそもそもの浸水する可能性が低くなります。
  2. 床下浸水・床上浸水の被害を軽減できる
    浸水の重度の被害だと建物が傾くこともありますが、嵩上げ工事を行うことで、中度、軽度の被害以下に低減することができます。
  3. 二次被害も軽減される
    浸水の二次被害である、悪臭、腐食、害虫の発生も抑止することができます。

コスト面のメリット

  1. 新規建設に比べて1/10~1/20の低コストで実施できる
  2. 既存の上下水道管や電線は延長することで再利用できるため、比較的安価に工事が可能
  3. 再び被害に遭った時の復旧費用は軽微なものになる。

その他のメリット

  1. 工事中も通常通り居住しながら実施できる
  2. 地盤からの床高さが確保されるため、通常生活において湿気が溜まりにくくなる。
  3. 工期が短縮できる工法もある

嵩上げ工事は、浸水対策や土地の有効活用、コスト削減など、様々な面でメリットがあります。ただし、景観の変化や庭、駐車場の使い勝手の変化などのデメリットもあるため、総合的に検討する必要があります。

具体的な嵩上げ工事の手順

  • 打合せ:まずはどんな被害があったのか、どんな被害が想定されるのかを相談してみましょう。
  • 下調べ:お聞きした情報をもとに自治体のハザードマップや過去の被害事例から最大浸水高さを想定します。
  • 測量:浸水しない高さはどのくらいか。生活に支障が起きない高さはどのくらいかな ど、一人一人に合わせた嵩上げ高さを計画します。
  • 嵩上げ工事:土台揚げ工法、もしくは基礎共揚げ工法を選択し施工を行います。
    土台揚げ工法のポイントはアンカー、鉄筋を切断することがあるので、どのように復旧していくか、建物を嵩上げした結果、弱
    い構造にならないよう施工をすることです。
    基礎共工法のポイントは上げた部分の充填コンクリートの重量が新たな沈下リスクになるとも限らないので、事前調査をしっか
    りと行い、沈下のない施工を行うことです。
  • 引き渡し:工事が完了したら、建物の引き渡しを行います。施工部分がきれいに仕上がっているかだけではなく、お庭が奇麗に戻
    っているか、建築廃材やごみが残っていないか、この後何年経っても安心 な施工を行っているかなどをチェックし工事完了、
    引き渡しとなります。
  • アフターケア:引き渡しを受けて生活がもとに戻ったら、数カ月に一度「匂いはないか」「カビはないか」「湿気が高くないか」など定期的なチェックを行いましょう。場合によっては、専門家に相談することも必要です。
    あなただけの快適な生活を守ってください。

絶対損しない!保険・補助金活用術

床下浸水の復旧費用は、決して安くはありません。しかし、保険や補助金を活用することで、費用負担を軽減できる場合があります。

  • 火災保険: 床上浸水だけでなく、床下浸水も補償対象となる場合があります。ただし、保険会社や契約内容によって補償範囲が異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
  • 地震保険: 地震による地盤沈下や液状化現象が原因で床下浸水が発生した場合は、地震保険が適用される場合があります。
  • 自治体の補助金: 床下浸水の復旧費用に対して、自治体から補助金が支給される場合があります。補助金の対象となる条件や申請方法は、自治体によって異なるため、こちらも事前に確認しておくことが重要です。

まとめ|床下浸水・床上浸水は予防と早期対応が鍵

床下浸水は、家全体に深刻なダメージを与える可能性があります。しかし、日頃から予防対策を行い、いざという時に落ち着いて対応することで、被害を最小限に抑えることができます。

この記事で紹介した情報が、あなたの安心・安全な暮らしを守る一助となれば幸いです。

最後に、床下浸水で困った時は、一人で悩まず、専門家(曳家職人)に相談しましょう。専門家のサポートがあれば、きっと安心して復旧作業を進めることができます。

この記事が、床下浸水に悩むあなたにとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

専門家に相談して、納得のいく嵩上げ工事・曳家工事を

嵩上げ工事は、あなたの大切な想いがのこる家を新たな場所へ移動させる一大プロジェクト。正しい知識と情報、そして信頼できるパートナーを得て、安心して工事を進めましょう。近年ではインターネットで見積もりできる曳家業者さんも増えていますので、ぜひ調べてみてくださいね。

もし身近に信頼できる曳家さんがいない場合は、「日本曳家協会 業者を探すFine the partnerページ」で調べるか、お悩みを曳家先生への「ウェブ相談、もしくは五月女建設の「お問合せフォーム」でご連絡ください。あなたの身に寄り添った立場で法律面、施工面、費用面など持てる知識と経験の限り、誠心誠意お答えさせて頂き、あなたの「絶対損しない曳家工事」に協力させて頂きます。


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