曳家 栃木県塩谷町|施工事例 | 道路拡張 石造鳥居 手水舎 歴史的建造物 神社仏閣
2024年7月9日
栃木県塩谷町の石造鳥居を道路拡張のため曳家移転しました。
3.2m
この工事は最初に 栃木県矢板土木事務所 用地部からの相談を頂き、
打ち合わせの最初には 大久保自治会長さん 矢板土木事務所 担当者さんとの打ち合わせ、現地調査を行わせていただきました。
工事の目的
道路拡張のため
現場状況
現場は 県道62号今市氏家線に接した現場でした。 県道62号線は 道幅が狭い上に 交通量のある通りであったため資材搬入機械の搬入の際には誘導員を2名配置した。
また 現場内では 石像鳥居や手水舎狛犬 石碑 など多くの工作物があったため、バックホウやユニックなどの工事機械の進路の確保が難しく工事手順の決定には議論を重ねた。
地質状況
現場は塩谷町大久保地区は深度1~2mまでシルト混じりの細砂、深度11mまで玉石混じりの砂礫であり、石造鳥居の支持地盤としては十分な 地質であると想定されたが、現場の神社敷地内は0.5m を超える有機土が確認でき、また 既存の石碑や既存の狛犬などに不当沈下による傾きが見られれ、また神社内にあった杉の木や雑木の伐採、根の撤去は森林組合が行ったが工作物移動予定地に伐採後の根が残っていたためため、その撤去作業に労力を要し、また施工後の不等沈下リスクを軽減する対策が必要となった
工程
比較的余裕のある工程ではあったが 7月中旬に改札される神社のお祭りに間に合わせて欲しいという要望があったため 実際の工程よりも1週間ほど早く 工事を完了することができた
備考
・狛犬の 玉石で作られた台座基礎を曳家で移動できるかの検討としてすかし堀り調査を行ったところ、目地モルタルの強度不足や裏込コンクリートの不足が分かり深岩石で代替の台座基礎を作った後に 狛犬を移動することになった
・手水舎は腰付き工法を基本とした吊舞によって行った。吊舞時の歪みを抑えるために帯、チェーンブロックを用いたたすき掛けを行った。
・石造鳥居は構造が不安定なためや 鋼材を結びあげいえこうの際にH鋼に歪みを作ってしまうと 本体構造に歪みが生じ 非常に割れるリスクが高まるため、H鋼 下腰前方 後方 からの 木材の斜め掛けを行い リスク軽減を図った
参考記事
教えて曳家先生! 第十二話 ~絶対に損しないジャッキのコツ~
教えて 曳家 先生! 第十一話 ~絶対に損しない ひび割れ 防止のコツ~